東京の日の入りは、国立天文台の暦計算によると、2026年11月1日が16時46分、11月30日が16時28分です。
11月の1か月で、夕方に明るく走れる時間は少しずつ短くなっていきます。
朝の気温が下がるのも、この時期からです。
冬のロードバイクは、寒さへの備えと、暗さと路面への備えの両方がそろって、はじめて快適に走れます。
冬の服装は「重ね着」で組み立てる
3つの層で考える
冬の服装は、厚い上着を1枚着るより、役割の違う服を重ねるほうが調整しやすくなります。

| 層 | 役割 | 例 |
|---|---|---|
| 肌に近い層 | 汗を肌から離して乾かす | 速乾性のアンダーウェア |
| 間の層 | 体温をためる | 長袖のジャージ、裏起毛のジャージ |
| 外側の層 | 冷たい風を通さない | ウィンドブレーカー、冬用のジャケット |
まず効かせたいのは、外側で風を止めることです。
自転車は走るだけで向かい風を受けるので、同じ気温でも、歩いているときより体が冷えやすくなります。
気温の目安で組み合わせを決める
国内のサイクルウェアメーカーのパールイズミは、オンラインショップで冬物を「15℃」「10℃」「5℃」「0℃」の温度帯で分け、「5℃対応」のように表示しています。
自分で組み合わせるときも、出発する時間帯の気温を基準に考えると決めやすくなります。
| 出発時の気温 | 上半身の組み立て例 | 下半身と小物の例 |
|---|---|---|
| 15℃前後 | 長袖ジャージ、薄手のウィンドブレーカーを持つ | 7分丈か、ひざ下を覆うウォーマー |
| 10℃前後 | アンダーウェア+長袖ジャージ+ウィンドブレーカー | 薄手のタイツ、長指のグローブ |
| 5℃前後 | アンダーウェア+裏起毛のジャージ+冬用ジャケット | 厚手のタイツ、冬用グローブ、シューズカバー |
| 0℃前後 | 5℃前後の組み合わせに、首や耳の防寒を足す | 冬用グローブを厚めに。 路面の凍結が心配なら走らない |
汗冷えを防ぐ、脱ぎ着の工夫
冬に体が冷える原因は、寒さだけではありません。
走り出しは寒く、上り坂では汗をかき、そのあとの下り坂や休憩で一気に冷える、という体温の変化が起きやすいからです。
- 前開きの上着を選ぶ:ファスナーを少し開けるだけで、熱を逃がせます。
- 薄いウィンドブレーカーを1枚持つ:下りの前に着て、上りの前に脱ぎます。
- 走り出しは「少し寒い」くらいにする:着込みすぎると、すぐに汗をかきます。
- 休憩のときは、止まってすぐに1枚着る:汗が冷える前に防ぎます。
脱いだ服を入れられるよう、背中のポケットやバッグに余裕を残しておくと、こまめな調整がしやすくなります。
休憩のとり方も冬向けに
冬は、長く止まるほど体が冷えます。
休憩は短めにし、日の当たる風の弱い場所を選ぶと、走り出すときの寒さがやわらぎます。
寒い日は汗をかいている感覚が薄く、のどの渇きにも気づきにくいので、休憩のたびに少しずつ水分をとることを意識します。
手・足・首の防寒
体の先端は、冷えると操作に直接響きます。
冬の小物を一度にそろえられない場合は、次の順で足していくと、効果を感じやすくなります。
| 順番 | 小物 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 冬用のグローブ | 指がかじかむと、ブレーキと変速の操作に直接響く |
| 2 | ネックウォーマー | 首元のすき間から入る風を止められ、脱ぎ着も簡単 |
| 3 | シューズカバー | 風を正面から受ける足先を守る |
| 4 | 耳を覆う薄手の帽子 | ヘルメットの下に重ねて、耳の冷えを防ぐ |
手袋は「操作できること」が最優先
冬用のグローブは、暖かさと、ブレーキや変速の操作のしやすさのバランスで選びます。

厚い手袋ほど安心?
暖かさは増しますが、ブレーキレバーを握る感覚が鈍くなり、変速レバーも押しにくくなります。
試着できるなら、ハンドルを握る形で指を動かし、レバーを確実に引けるかを確かめます。
寒さが厳しい日は、薄手のインナーグローブを中に重ねる方法もあります。
指先がかじかんでブレーキを強く握れないと感じたら、無理に走り続けないでください。
足先はシューズカバーで風を止める
足先は、風を正面から受けるうえにあまり動かないので、冷えやすい場所です。
靴の上からかぶせるシューズカバーは、風を止めるのに役立ちます。
シューズカバーのサイズは、足の大きさではなく、はいている靴に合わせて選びます(パールイズミのサイズのFAQ)。
首と耳
首元はネックウォーマーで覆うと、上着のすき間から入る冷たい空気を防げます。
耳を覆う場合は、ヘルメットのかぶり具合が変わらない薄手のものを選びます。
周りの車の音が聞こえにくくならないかも、走り出す前に確かめておきます。
凍結しやすい場所と、走らない判断
冬の路面で特に気をつけたいのは、凍結です。
北海道警察の路面凍結の資料では、周りが乾いていても一部だけが凍る場所として、次の例が写真つきで紹介されています。
- 橋の上(橋の手前は乾いていても、橋の上だけが凍っている)
- トンネルの出入口の付近
- 林や山の斜面の陰になる部分
自転車はタイヤが細く、凍った路面では止まることも曲がることも難しくなります。
路面の凍結や雪の予報が出ている日は、走らない選択をしてください。
走っている途中で路面が白く光って見えたら、降りて押して歩きます。
日の短さに合わせて、出発時刻を逆算する
日の入りの時刻は、国立天文台の暦計算室で地域ごとに調べられます。

東京の2026年11月の日の入りは、次のとおりです。
| 日付 | 日の出 | 日の入り |
|---|---|---|
| 11月1日 | 6時02分 | 16時46分 |
| 11月15日 | 6時16分 | 16時35分 |
| 11月30日 | 6時31分 | 16時28分 |
朝に走る人にとっては、日の出が遅くなる変化も見逃せません。
11月の終わりには、6時台の前半はまだ暗さが残る時間帯になります。
道路交通法は、自転車にも夜間のライトの点灯を義務づけています(第52条第1項)。
日の入り後に走る予定がなくても、帰りが遅れることを考えて、前後のライトを付け、充電を確かめてから出かけます。
日の入りの1時間前には帰り道に入れるよう、出発時刻と走る距離を決めておくと、暗くなる前に戻りやすくなります。
冬の雨と、冬物の手入れ
冬の雨は、ぬれた服が風で冷やされるため、ほかの季節よりも体温を奪われやすくなります。
雨の予報が出ている日は、走る時間を短くするか、走らない日にするほうが無理がありません。
途中で降られたときに備えるなら、風も止められるレインウェアを1枚持っておくと、防寒の上着の代わりにもなります。
冬物は、手入れのしかたも素材によって違います。
パールイズミのFAQによると、手入れは次のように分かれます。
- 裏起毛のジャージ、ソフトシェルのジャケット:ファスナーを閉じてネットに入れれば、洗濯機で洗える
- ウィンドブレーカー、レインウェア:ぬれたタオルなどで汚れを拭き取り、湿度の低い場所で乾かす。
洗濯機を使う場合も脱水はしない
冬に走る前の点検
ルールブックで警察庁が呼びかけているのは、ブレーキやタイヤ、反射器材などを利用のたびに点検することです。
冬は、この点検に次の2つを足しておきます。
- 冬用のグローブをはめたまま、ブレーキを強く握れるか:厚手の手袋では、夏と同じ感覚で握れないことがあります。
- ライトの明るさと点灯時間:暗い時間に走る機会が増えるので、出かける前に充電の残りを確かめます。
寒すぎる日の選択肢
冷え込みが強い日や路面が心配な日は、外を走るのをやめて、室内で自転車をこげるトレーナーを使う人もいます。
乗らない日を、チェーンの掃除や空気圧の確認にあてるのも1つの過ごし方です。
前日の夜に、翌朝の最低気温と路面凍結の予報を見ます。
凍結の予報が出ていれば、服を選ぶ前に、その日は走らないと決めてかまいません。




