ロードバイクに普段着のジーンズで乗った初日によくあるのが、次の3つです。
- お尻の縫い目が当たって痛い
- ペダルを回すたびに、裾がチェーンの近くでばたつく
- 汗をかいた服が乾かずに、休憩中に冷える
どれも、服を全部サイクルウェアに替えなくても、対策の順番を決めれば軽くできます。
最初に手を打つのはお尻、次に裾と汗、本格的なウェアはそのあとで十分です。
服装は3段階で考える
最初からすべてをそろえる必要はありません。

走る距離や回数が増えるのに合わせて、段階的に足していく考え方が現実的です。
| 段階 | 上半身 | 下半身 | 小物 |
|---|---|---|---|
| 最低限(近場を1時間ほど) | 速乾性のTシャツや運動用の長袖 | 伸びる素材のパンツ+裾留めのバンド | ヘルメット、グローブ |
| あると楽(半日ほど) | 背中にポケットのあるサイクルジャージ | パッド付きインナーパンツの上に普段のパンツ | アイウェア、薄手のウィンドブレーカー |
| 本格(1日走る、回数が多い) | サイクルジャージ+季節に合う上着 | パッド付きのサイクルパンツやビブショーツ | サイクルシューズ、季節の小物 |
ヘルメットはどの段階でも欠かせません。
道路交通法でも、自転車を運転するすべての人に、ヘルメット着用の努力義務があります(第63条の11第1項)。
手持ちの服で足りるかの3問
次の3つに当てはまるなら、新しく買わずに手持ちの服で始められます。
- 走るのは近場で、1時間以内に収まる
- 運動用の、汗が乾きやすいシャツを持っている
- パンツの裾をバンドで留められる、または細身のパンツがある
1つでも当てはまらない場合は、その項目に当たるものから買い足します。
普段着で乗るときに気をつけたいこと
普段着で乗るときに避けたいのは、次のような服や靴です。
- 厚い縫い目があり伸びにくいジーンズ
- 裾が広がったパンツ、ロングスカート、長いストールなど、チェーンや車輪に触れやすいもの
- 汗を吸うと乾きにくい厚手の綿の服
- かかとが固定されないサンダル
反対に、手持ちの服でも次のようなものは使いやすく、買い足すなら安く済みます。
- ストレッチの効いた細身のパンツ
- 裾をまとめる反射材付きのバンド
- ポリエステルなどの速乾性のある運動用のシャツ
- 底がある程度しっかりした運動靴
裾や長い布がチェーンに巻き込まれると、ペダルが急に止まり転倒につながるおそれがあります。
右足側の裾は特にチェーンに近いので、バンドで留めます。
サイクルウェアで変わること
パッド付きのパンツは「直接はく」
サイクルウェアのなかで、最初に効果を感じやすいのがパッド付きのパンツです。

サイクルパンツは、下着を着けずに直接はくものです(パールイズミのよくある質問)。
小さなサドルに長い時間座ると、下着の縫い目や生地の厚みで摩擦が起き、擦り傷の原因になるためです。
普段着のまま乗りたい場合は、パッド付きのインナーパンツという選択肢があります。
同じFAQでは、インナーパンツは普通のショーツと同じように直接はき、上にカジュアルなパンツを重ねる使い方が紹介されています。
薄手のパッドのものなら一日中はいていても問題ないとも書かれているので、自転車で出かけて、そのまま街を歩く日にも使いやすい形です。
冬はパッドのないタイツと組み合わせると、タイツを洗う回数を減らせる、という使い方も同じFAQに載っています。
ジャージは前かがみの姿勢に合わせた形
サイクルジャージは、前かがみの姿勢になっても背中が出にくいように、後ろの丈が長めに作られているものが多くあります。
背中のポケットには、補給食や携帯工具、スマートフォンを入れておけます。
体に沿う形なので、風でばたつかず、汗を素早く乾かす素材が使われているのも特徴です。
ビブショーツとウエスト式
パッド付きのパンツには、肩ひもで吊るビブショーツと、普通のパンツのようにウエストで留めるタイプがあります。
ビブはおなかを締めつけず、前かがみでもずれにくい一方、着脱に手間がかかります。
ウエスト式は着替えやすく、街乗りや通勤との相性がよい形です。
どちらがよいかは、走る時間と、途中でトイレに行く回数で考えると選びやすくなります。
グローブ・アイウェア・靴
- グローブ:手のひらのパッドで、ハンドルからの振動や当たりをやわらげます。
汗で手が滑るのも防げます。 - アイウェア:日差しのほか、虫や砂ぼこりが目に入るのを防ぎます。
夕方や曇りの日には、色の薄いレンズのほうが見やすくなります。 - 靴:最初は運動靴で問題ありません。
ペダルと靴を固定するビンディングは、慣れてから考えても遅くありません。
周りから見つけてもらうための色と反射材
服装は、自分の快適さだけでなく、車や歩行者から見つけてもらうための道具でもあります。

警察庁の「自転車安全利用五則」では、夜間はライトを点灯し、反射器材を備えた自転車を運転するよう呼びかけています。
ライトと車体の反射器材が基本で、服はその上乗せです。
夕方やトンネル、雨の日に走ることがあるなら、次のような工夫が役に立ちます。
- 黒や紺など暗い色ばかりにせず、上半身に明るい色を入れる
- 反射材の付いたジャケット、バンド、シューズカバーを使う
- リュックを背負う場合は、背中側に反射材があるものを選ぶ
暗い色のウェアを着るときほど、ライトと反射材を意識して足すと考えると、選び方に迷いません。
雨の日の服装は「傘を使わない」前提で
雨の日に乗る場合、傘を差しての運転はできません。
傘差し運転や、イヤホンで周りの音が聞こえない状態での運転は、全ての都道府県で禁止されています(警察庁のルールブックより)。
雨の日に乗るなら、上下に分かれた自転車向けのレインウェアを使い、裾がチェーンに触れないよう留めておきます。
ぬれた路面ではブレーキの効き方や滑りやすさも変わるので、服装だけでなく、走るかどうか自体を考え直す判断も大切です。
サイズは「前かがみの姿勢」で選ぶ
サイクルウェアは体に沿う形なので、普段の服とサイズ感が違います。
パールイズミのサイズのFAQでは、2つのサイズの間で迷ったときの選び方が、アイテムごとに紹介されています。
- パンツ:パッドがぴったり体に合うサイズ。
お尻がたるんだりパッドが浮いたりすると、擦れやお尻の痛みの原因になります。 - タイツ:ひざを曲げたときに、ひざ周りにしわが寄らないサイズ。
- ジャージ:前かがみの姿勢で、おなか周りがだぶつかないサイズ。
立った状態で胸が少しきつく感じても構いません。 - ジャケット:ジャージと同じ考え方で、ジャージの上に重ねられる大きさ。
試着できるなら、店でハンドルを握るときと同じ前かがみの姿勢をとってみることです。
立ったまま鏡で見るだけでは、乗ったときのサイズ感は分かりません。
洗濯と保管で長持ちさせる
洗濯と保管の注意は、パールイズミのFAQに次のようにまとまっています。
- 洗剤は洗濯用の中性洗剤を使い、漂白剤や柔軟剤、蛍光漂白剤入りの洗剤は使わない
- ファスナーやベルクロを閉じ、洗濯ネットに入れる
- パッド付きのパンツは、裏返して洗うとパッドの汚れが落ちやすい
- 回転式の乾燥機は、縮みの原因になるため使わない
- 保管はビニール袋から出し、風通しがよく直射日光の当たらない場所に、洗ったあとの状態でしまう
パッドは汗を吸うので、乗るたびに洗えるよう2枚を交互に使うと、乾かない日に困りません。
季節で足していくもの
| 季節 | 足したいもの |
|---|---|
| 夏 | 日差しを防ぐアイウェア、汗を乾かすジャージ、日焼けを防ぐアームカバー |
| 春・秋 | 朝晩の冷え込みに備える薄手のウィンドブレーカー、脱ぎ着できるアームウォーマー |
| 冬 | 風を通しにくい上着、冬用グローブ、ネックウォーマー、シューズカバー |
何から買うか1つだけ選ぶなら、普段の服のまま使えるパッド付きのインナーパンツです。
冒頭の3つの困りごとのうち、お尻の痛みだけは、手持ちの服では手を打てないからです。
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