タイヤ交換で失敗が起きやすいのは、古いタイヤを外すときではありません。
新しいタイヤをはめ終えてから、空気を入れるまでの数分間です。
パナレーサーのよくある質問では、タイヤとリムの間にチューブを挟んだまま空気を入れるとバーストすると注意しています。
外す手順よりも、はめたあとの確認に時間をかけるつもりで進めると、失敗を減らせます。
ホイールの脱着は、走行中の安全に直結する作業です。
手順のどこかで手が止まりそうなら、今回はショップで作業してもらい、目の前で手順を見せてもらう方法もあります。
自分で作業したあとに違和感が残る場合も、乗る前に点検を受けてください。
次のどれかに当てはまるなら、最初の1回はショップに任せる選択肢を考えます。
- ホイールの外し方・付け方を一度も試したことがない
- 油圧ディスクブレーキの車体で、ホイールを外した状態の扱いに自信がない
- スルーアクスルの締め付けの値が、どこに書いてあるか分からない
- チューブを使わないチューブレスタイヤを使っている
タイヤを替える時期のサイン
タイヤの交換は、走った距離だけで決めるものではありません。
パナレーサーのQ&Aに書かれている交換のサインを整理すると、次のようになります。
- 糸(ケーシング)が見える、切れている:直ちに交換します。
- ケーシングまで届く割れがある:表面だけの細かいひびとは分けて考え、交換します。
- 一部だけ極端にすり減っている:全体がまだ残っていても、ひどい摩耗が一部にあれば交換します。
- 長く使わずに置いていたタイヤ:ゴムは経年で劣化するため、使う前に専門店で点検を受けます。
パナレーサーのQ&Aによると、ロードバイクのタイヤは外から見ただけではすり減り具合が分かりにくく、リムから外してトレッドの厚みを確かめる必要があります。
夏は紫外線やオゾンで劣化が進みやすいとされていて、乗る前に表面をひと回り見る習慣が役に立ちます。
始める前にそろえるもの
作業は、平らで明るい場所で行います。

- タイヤレバー2本:素手で入らないときだけ、2本1組で使います。
- 新しいチューブ:タイヤと同じサイズに合うもので、バルブの形式(多くは仏式)と、リムの高さに足りるバルブの長さを確かめます。
- 空気入れ:ゲージ付きで、バルブの形式に合うもの。
- ウエス:タイヤの内側やリムを拭くのに使います。
交換するタイヤは、今と同じサイズ・同じリム形式のものを選ぶのが基本です。
太いタイヤに替える場合は、フレームとのすき間を確かめます。
ロードバイクで26C以上にするときは特に注意が要る、とパナレーサーは書いています。
チューブはタイヤの太さに合う範囲のものを使います。
パナレーサーは、タイヤより小さいサイズのチューブは伸びてパンクにつながり、大きすぎるチューブを詰め込むと折れてバーストの原因になるとしています。
チューブの箱に書かれた適合サイズと、タイヤ側面のサイズ表示を見比べてから買います。
ホイールを外す
後輪を外すときは、ペダルを回しながら、後ろのギアを一番外側(いちばん小さい歯車)に入れておきます。
工具メーカーのPark Toolの整備解説でも、外す前にこの位置へ変速する手順になっています。
リムブレーキの車体は、ブレーキ本体の解除レバーを開いて、タイヤがブレーキシューの間を通れるようにします。
クイックリリースはレバーを開いてゆるめ、スルーアクスルは軸を回して抜きます。
後輪は、チェーンを引っかけないように、ゆっくり下へ抜きます。
油圧ディスクブレーキの車体は、ホイールを外した状態でブレーキレバーを握らないようにします。
Park Toolの解説では、握るとパッドが閉じてしまい、ホイールを戻しにくくなるとされています。
タイヤとチューブを外す
仏式なら先端のネジをゆるめて先端を押し、空気を抜き切ります。

タイヤの両側を一周つまんで、リムの中央のくぼみに落とすと、外す側に余裕ができます。
バルブの反対側あたりで、タイヤとリムの間にレバーを差し込み、タイヤの縁(ビード)をリムの外に出します。
2本目のレバーを少し離れた場所に差し込み、横に滑らせて片側を外します。
バルブのない側からチューブを引き出し、最後にバルブをリムの穴から抜きます。
タイヤを交換する場合は、もう片側のビードも手で外します。
外したら確かめておく3か所
タイヤを外したついでに、普段は見えない場所を確かめます。
| 見る場所 | 見る点 | 交換・相談の目安 |
|---|---|---|
| リムテープ | 切れ、ずれ、穴の跡 | 切れていたら交換。 パナレーサーは約5,000kmでの点検と、ニップル穴の跡が付いたら交換を案内 |
| タイヤの内側 | ガラス片や金属片が刺さっていないか | 刺さったままなら、新しいチューブもすぐにパンクする |
| タイヤの表面・側面 | ひび割れ、糸の露出、側面の切れ | 糸(ケーシング)まで達する割れや切れは交換 |
パナレーサーによると、ゴムの表面だけの細かいひび割れなら使い続けられますが、ケーシングの糸が切れている場合は直ちに交換が必要です。
タイヤの内側は、指で直接なぞらず、布でゆっくりなぞると、刺さったものでけがをせずに確かめられます。
新しいタイヤとチューブをはめる
タイヤの側面に回転方向の矢印があれば、その向きに合わせます。

タイヤの片側だけを、手でリムにはめます。
チューブに形が出る程度だけ空気を入れ、バルブをリムの穴に通してから、タイヤの中に一周入れます。
バルブの根元でチューブを挟まないよう、バルブを一度タイヤ側へ押し込んでからはめ進め、空気を入れる前に引き出します。
バルブの反対側から両手ではめ進め、バルブのところを最後にします。
ビードをリムの中央のくぼみに落とすよう意識し、手のひらで押し込むとはめやすくなります。
最後の数センチが入らないときだけレバーを使い、チューブを挟まないように少しずつ起こします。
すべりをよくしたい場合も、ワックスやオイル系は使用禁止です。
使ってよいのは石けん水などの水性のものに限られます(パナレーサーのQ&A)。
空気を入れる前の確認
- チューブを挟んでいないか、どう確かめる?
-
タイヤを少しずつつまんで内側へ寄せ、ビードとリムの間からチューブが見えないかを一周確かめます。
バルブの周りは特に挟みやすいので、バルブを一度押し込んでから引き戻すと、周りのチューブが奥に収まります。
- 空気はどこまで一気に入れてよい?
-
目安は200〜300kPaです。
そこまではゆっくり入れ、タイヤとリムの境目の線が一周そろったのを確かめてから、推奨の空気圧まで上げます。
パナレーサーのQ&Aでは、そのあと一日置いて慣らし走行をする流れが示されています。
- 線が一部だけ沈んでいる、または浮いているときは?
-
タイヤがその場所できちんとはまっていない状態です。
空気を抜いてその部分をはめ直し、もう一度少しずつ入れます。
何度やってもそろわない場合は、そのまま走らずショップに見てもらいます。
ホイールを戻したあとに確かめること
ホイールは、外したときと逆の順で戻します。
後輪は、チェーンを後ろのいちばん小さい歯車に掛けてから、エンドに落とし込みます。
走り出す前に、次の5か所を順に確かめます。
| 確かめる場所 | 見る点 |
|---|---|
| ハブの軸 | フレームやフォークの受け(エンド)の奥まで収まっている |
| クイックリリース・スルーアクスル | レバーがフレームやフォークに沿う向きで閉じている、軸が締まっている |
| リムブレーキの解除レバー | 元の位置に戻っている |
| ホイール | 手で回して、ブレーキに擦らず、タイヤが左右に振れない |
| ブレーキ | 低速で前後を1回ずつかけて、いつも通り止まれる |
1つでも当てはまらない項目があれば、走り出さないでください。
直し方が分からないときは、そのままショップへ持ち込みます。
クイックリリースは、フレームやフォークから90°の位置でレバーに抵抗を感じ始めるくらいまで、反対側のナットを締めておくのが、Park Toolの示す目安です。
スルーアクスルは、締め付けの値を記憶や感覚で決めず、軸やフレームに書かれた値、メーカーの資料の値に従います。
値が分からない、トルクレンチを持っていない、という場合は、ショップで締めてもらいます。
値を知らないまま締めると、締めすぎと締め不足のどちらも起こりえます。
タイヤとリムの境目の線がそろわない、ブレーキの効きに少しでも違和感がある、のどちらか1つでも残っているなら、その日は走り出さず、はめ直すかショップに持ち込みます。
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