ヘルメット選びは、店に行く前の1分で半分が終わります。
布のメジャーを1本用意して、頭のまわりを測っておくことです。
サイズ表の数字と照らし合わせられるようになると、候補が一気に絞れます。
そのうえで確かめたいのが、安全基準の表示、かぶり方、買い替えの時期の3つです。
頭囲を測って、サイズ表の数字と照らし合わせる
頭囲の測り方
Trekの日本語サイトは、布製のテープメジャー(または糸と定規)を使い、眉から耳の上を通る水平なラインで頭の周囲を測る方法を案内しています。

布製のメジャーの端を、眉のすぐ上に当てます。
耳の上を通し、後頭部まで水平になるように一周させます。
きつく締めず、頭に軽く沿わせた状態の数字を読みます。
数回測って、最も大きい数字をメモします。
髪の量が多い人や、冬に薄い帽子をかぶる人は、その状態でも測れば、季節で変わる頭囲の幅が分かります。
同じ「S/M」でも、モデルごとに範囲が違う
ヘルメットのサイズは、頭周の目安(cm)で書かれています。
ただ、サイズの呼び名が同じでも、モデルによって範囲は違います。
OGK KABUTOのロード向けの3モデルを、同社の製品ページの「頭周のめやす」で並べます。
| モデル | 小さいサイズ | 中間のサイズ | 大きいサイズ |
|---|---|---|---|
| AERO-R2 | XS/S 54〜56cm | S/M 55〜58cm | L/XL 59〜61cm |
| VITT | S/M 55〜58cm | L 58〜59cm | XL/XXL 60〜63cm |
| REZZA-3 | S/M 55〜58cm | M/L 57〜60cm | XL/XXL 61〜64cm |
たとえば頭囲58cmの人なら、AERO-R2ではS/Mの上限ちょうど、VITTではS/MとLの境目、REZZA-3ではS/MとM/Lが重なる範囲に入ります。
同社のFAQも、モデルごとにフィッティングが変わるので購入時の試着をすすめています。
サイズ表で分かるのは「候補」まで。
境目の数字に当たったら、両方のサイズを試着して決めるのが、サイズ選びで外さない方法です。
安全基準の表示を確かめる
警察庁は、自転車に乗るときのヘルメットは、SGマークなど安全性を示すマークの付いたものを使い、あごひもを確実に締めて正しくかぶるよう呼びかけています。
日本で目にすることの多い表示は、次のとおりです。
| 表示 | 何を示すか | 補足 |
|---|---|---|
| SGマーク | 製品安全協会のSG基準(自転車等用ヘルメット)に適合 | 欠陥による事故の被害者救済制度の有効期限は購入日から3年 |
| JCF公認 | 日本自転車競技連盟の公認 | JCFや加盟団体が主催する競技大会で使える |
| JCF推奨 | 日本自転車競技連盟の推奨 | 競技用の公認ヘルメットとはみなされない |
| CE(EN1078) | 欧州の自転車用ヘルメット規格 | JCFの公認・推奨の条件の1つにも挙がっている |
| CPSC | 米国の消費者製品安全委員会の基準 | 同じくJCFの条件の1つ |
日本自転車競技連盟(JCF)の「ヘルメット公認/推奨要領(2024)」は、公認・推奨の条件として、SG・CE(EN1078)・CPSCのいずれかへの適合、または同連盟の基準への適合を挙げています。
公認と推奨の違いについて、OGK KABUTOは「どちらも同じ試験内容ですので、安全面での違いはございません」と説明し、競技によっては公認でなければ使えない場合がある、としています。
レースに出る予定があるならJCF公認、そうでなければ公認か推奨かより、サイズとかぶり心地を優先して選んでかまいません。
表示は、ヘルメットのどこに付いているか
店頭では、まずヘルメットの表面と内側を見て、表示のシールや刻印を探します。
- SGマーク: 製品の外側か内側の見やすい位置に、ラベルを貼るか、印字・刻印で表示されます(製品安全協会「認証の詳細」より)
- JCFの証紙: 同要領に載っている見本では直径18mmの丸いシールで、公認は「APPROVED」、推奨は「RECOMMENDED」の文字が入ります
- 海外規格: 内側のラベルや取扱説明書に、EN1078やCPSCといった規格名が書かれています
JCFの要領では、公認・推奨のヘルメットには出荷時に全数へ証紙を貼ることになっているので、証紙が見当たらない場合は、店の人に公認か推奨かを確かめます。
かぶり方とあごひもの調整
サイズが合っていても、かぶる角度とあごひもがずれていると、ヘルメットは本来の働きをしにくくなります。

OGK KABUTOの「Helmet Guide」の手順をもとに、かぶるたびに確かめたい順番をまとめます。
後頭部にダイヤル式のアジャスターがあるものは、かぶる前にゆるめておきます。
額が見えるほど上を向いたり、左右に傾いたりしないよう、まっすぐかぶります。
ヘルメットの前側を押さえながらダイヤルを締め、頭にぴったり沿わせます。
バックルを留めたあと、あごとひものあいだに人差し指が1本入るくらいに調整します。
あごひもが耳の下でV字に分かれる部分が、ねじれず耳元にすっきり収まる高さに合わせます。
かぶったあとのサイズの判定は、OGK KABUTOの「Helmet Guide」の目安が参考になります。
合っていない可能性があるのは、次のような状態です。
- こめかみが締めつけられる
- 頭頂部とのあいだにすき間が残る
- アジャスターだけで支えている感じがする
- 首を振るとぐらつく
合っている目安は、次のような状態です。
- 痛いところや窮屈な部分がない
- 帽子のように自然にかぶれる
- アジャスターを締めると、さらにフィットする
買い替えの時期と、ぶつけたあとの扱い
転倒して頭を打ったヘルメットは、外から見て傷がなくても使うのをやめて、新しいものに交換してください。
OGK KABUTOは、見た目に何もなくても内部が傷んでいる可能性が高く、同じような衝撃で十分な性能を出せないおそれがある、と説明しています。

衝撃を受けていなくても、ヘルメットは紫外線や汗、雨で少しずつ傷んでいきます。
OGK KABUTOは、ヘルメットの有効期限を購入後3年間とし、異常がなくても3年以内の買い替えをすすめています。
メーカーによって考え方が違う場合もあるので、使っている製品の取扱説明書で確かめておきます。
自分で判断してよいことと、店やメーカーに任せたいことの目安は次のとおりです。
| 状態 | 自分でできること | 店・メーカーに相談すること |
|---|---|---|
| 内装パッドの汚れ | 外せるタイプなら手洗いし、日陰で乾かす | はがれたパッドの交換部品があるか |
| アジャスターの動きが悪い | 使うのをやめる | 交換部品の有無と取り付け |
| 頭を打った、強くぶつけた | 使うのをやめる | 買い替えの相談(修理はできない) |
| 当たって痛い部分がある | 削ったり穴を広げたりしない | 別のサイズやモデルの試着 |
同社は、ヘルメット本体とあごひもの修理は行っておらず、削るなどの加工も性能に悪影響が出るのでしないよう注意しています。
保管について同社は、直射日光の当たらない、50℃以上にならない場所を目安とし、夏の車内や暖房機の近くは避けるよう案内しています。
ヘルメット選びでよく出る疑問
- 高いヘルメットと安いヘルメットでは、何が違う?
-
OGK KABUTOのFAQは、安全性やフィット感については基本的にすべて同じと説明しています。
価格が高い製品は、軽量化のための特殊な設計や製法、内装やあごひもの素材、付加機能の多さなどでコストがかかっている、とされています。
予算の中で、サイズが合い、基準の表示があるものを選ぶのが出発点です。
車体と一緒にそろえる装備の総額は「安いロードバイクで後悔しないために、予算別の中身と追加費用の早見表」で計算例を出しています。
- 人から譲ってもらったヘルメットや、中古品を使ってもいい?
-
いつ買ったものか、ぶつけたことがあるかが分からないヘルメットは、避けたほうが無難です。
外から傷みが見えなくても内部が傷んでいる場合があり、購入から何年たっているかも判断できないためです。
- 眼鏡をかけていても使える?
-
使えますが、モデルによってはつるが当たることがあります。
試着のときにいつもの眼鏡やサングラスを持っていけば、つるが当たるかどうかがその場で分かります。
ヘルメットは2023年4月1日から、すべての自転車利用者に着用の努力義務があります(道路交通法第63条の11)。
警察庁の「自転車ルールブック」は、かぶらなくても反則金の対象にはならないとしたうえで、令和2〜6年の合計で、頭部を負傷した人のうちヘルメットを着用していなかった人の致死率は、着用していた人の約1.4倍だったと示しています。
メジャーで測った数字をメモしたら、次は境目のサイズを2つ試着できる店を探す番です。
関連記事
- 関連記事:➔ ロードバイクの携帯品チェックリスト、サドルバッグと携帯工具の中身
- 関連記事:➔ ロードバイクのライトの選び方、ルーメンの目安と前後の付け方
- 関連記事:➔ ロードバイク初心者の選び方、サイズ・予算・買う場所の決め方
- 関連記事:➔ 安いロードバイクで後悔しないために、予算別の中身と追加費用の早見表





