店でロードバイクにまたがったとき、トップチューブ(サドルの前から伸びる横のパイプ)が股に当たり、つま先立ちになる人がいます。
見た目や値段で選ぶ前に、まず確かめたいのがこのまたがったときのすき間です。
ドイツの自転車メーカーCanyonの取扱説明書は、トップチューブと股のあいだに指2〜3本分のすき間があるかを確かめるよう案内し、大きすぎるフレームは素早く降りるときにけがの原因になる、と注意しています。
初めての1台は、用途→サイズ→予算→買う場所の順に決めると、迷う範囲が小さくなります。
決める順番は「用途→サイズ→予算→買う場所」
いきなり車種のカタログを見比べると、似た見た目の車体が何十台も並んで、決め手がなくなります。
先に次の4つを順に決めれば、店員さんに相談するときも話が早く進みます。
- 用途: 通勤、休日の長い距離、坂道、運動など、何に最も多く使うか
- サイズ: 身長からメーカーのサイズ表で候補を絞り、実際にまたがって確かめる
- 予算: 車体の上限と、ヘルメットやライトなど装備の費用を分けて決める
- 買う場所: 自転車店、通販、中古のどれにするか
用途は、車体のどこを重視するかに直結します。
たとえば坂道を走るつもりなら、ギアの欄で前のギア(チェーンリング)の小さい側と、後ろのスプロケットの大きい側の歯数を見れば、上り坂での軽さの見当がつきます。
ジャイアントのContend 2(2022年モデル)なら、前が34/50T、後ろが11-34Tと表記されていて、前34Tと後ろ34Tの組み合わせが最も軽いギアになります。
通勤が中心なら、ライトや鍵を付ける位置、雨の日の泥はねへの対策も、車体を選ぶ段階で店に聞いておきたい点です。
用途で迷っている場合は、クロスバイクとの比較から考えると決めやすくなります。
違いは「ロードバイクとクロスバイクの違い、どちらを選ぶかの判断基準」で、同じメーカーの2台の仕様を並べて整理しています。
サイズは身長の目安で絞り、またがって確かめる
メーカーの適応身長は、車種によって幅がずれる
多くのメーカーは、サイズごとに適応身長(その大きさが合いやすい身長の範囲)を公開しています。
ただし同じメーカーのよく似た車種でも、範囲は少しずつ違います。
ジャイアントの国内公式サイトに載っている、2022年モデルのアルミロード2車種で比べてみます。
| サイズ | Contend 0(2022) | Contend 2(2022) |
|---|---|---|
| XS | 157〜169cm | 155〜170cm |
| S | 165〜175cm | 165〜175cm |
| M | 171〜181cm | 170〜185cm |
| ML | 177〜187cm | 180〜190cm |
たとえば身長170cmなら、Contend 0ではSだけが範囲に入るのに対し、Contend 2ではXS・S・Mの3つの範囲に入ります。
いずれも2022年モデルの数字で、現行モデルは価格や仕様、サイズの範囲が異なります。
同社のページにも「適応身長はあくまでも参考値であり、適合を保証するものではありません」と書かれ、サイズは正規販売店で相談するよう案内されています。
身長の目安で分かるのは「候補のサイズ」まで。
2つのサイズの境目にいる人ほど、実際にまたがって比べる価値があります。
店でまたがったときに確かめる4点
試乗や試しまたがりができる店なら、次の順に確かめます。

両足を地面につけて立ち、トップチューブと股のあいだに指が2〜3本入るかを見ます。
すき間がほとんどない場合は、ひとつ小さいサイズも試します。
サドルに座り、真下まで下げたペダルにかかとがちょうど届く高さが目安です(同じくCanyonの説明書より)。
細かい調整は店員さんに頼めます。
ブレーキレバーの付け根に手を置いたとき、腕が突っ張りすぎず、背中が丸まりすぎないかを確かめます。
手の小さい人は、指がレバーに無理なく届くかも見ます。
レバーの位置は調整できる場合があるので、届きにくければその場で相談します。
予算は「車体」と「装備」を分けて考える
予算を1つの数字で考えると、車体を買ったあとに装備のお金が足りなくなります。

車体の価格帯の参考として、ジャイアントの国内公式サイトのロードバイク一覧(2026年10月17日に確認)では、アルミフレームのContendが11万9,900円〜15万4,000円、カーボンフレームのTCR Advancedが29万7,000円〜と表示されていました。
価格はモデルの年式や時期で変わるので、買う時点のメーカーや店の表示で確かめてください。
車体とは別に、乗り始めまでに用意したいものもあります。
- ヘルメット
- 前後のライト(前照灯と、テールライトまたは反射器材)
- 鍵
- 空気入れ(フロアポンプ)
- ペダル(完成車でも付属しないモデルがあるので、スペック表のペダル欄を確認)
- 防犯登録の手数料
- 自転車保険
ヘルメットは乗り始める日に間に合わせたい装備で、頭囲の測り方と安全基準の見方は「ロードバイクのヘルメットの選び方、安全基準・サイズ・買い替え時期」で扱っています。
自転車保険は、国土交通省の資料では令和6年4月1日時点で34都府県が条例で加入を義務にしています。
住んでいる地域が対象かどうかは、都道府県のページで確かめられます。
装備を含めた総額の組み立て方は「安いロードバイクで後悔しないために、予算別の中身と追加費用の早見表」に、早見表の形でまとめています。
候補が絞れたら、スペック表で見る4つの欄
メーカーのページには、部品名がずらりと並んだスペック表があります。
全部を読み解く必要はなく、初めての1台なら次の4つの欄を見比べれば十分です。
- ブレーキ: リムブレーキか、ディスクブレーキか。あとからホイールを替えるときの選択肢に関わります。
- タイヤ: 付いているタイヤの幅と、装着できる最大の幅。Contend 2(2022)なら700x28c、最大28mmです。
- 重量: 何サイズで測った数字か、ペダルを含むかどうか。Contend 2(2022)は「9.8kg(Sサイズ、ペダル未装着時)」でした。
- ペダル: 付属するかどうか。欄がなければ店に確かめます。
タイヤの最大幅は、太めのタイヤで乗り心地を良くしたくなったときに、どこまで替えられるかの上限です。
重量は測ったサイズや付属品で変わるため、別のメーカーの数字と単純に比べないほうが安全です。
TCR Advanced 2 KOMのページでも、重量はサイズや仕上げ、付属品で変わるので販売店で量ってもらうよう案内されています。
買う場所は、店・通販・中古で何が違うか
同じ車体でも、どこで買うかで「買ったあとに誰が面倒を見るか」が変わります。

| 比べる点 | 自転車店で買う | 通販で買う | 中古で買う |
|---|---|---|---|
| サイズの確認 | その場でまたがれる | 数字だけで選ぶことが多い | 1台ごとに違う |
| 組み立て・調整 | 店が仕上げて渡すことが多い | 自分で仕上げる形もある | 前の持ち主の調整のまま |
| 買ったあとの点検 | 購入店に相談しやすい | 近くの店で別に頼む | 別に頼む |
| 向いている人 | 初めての1台 | 整備に慣れた人 | 状態を見分けられる人、または店の中古 |
中古は見るべき箇所が新車と大きく変わり、チェックの順番は「中古ロードバイクの選び方、買う前に見るべき箇所と避けたい個体」に分けて書いています。
Canyonの説明書は、組み立て作業のあとは人や車の少ない場所で試し乗りをするよう求め、少しでも自信のない作業はしないよう書いています。
通販の車体は、届いたあとにハンドルの取り付けや前輪の固定を自分で行う形のものがあります。
ネジの締め付けやブレーキの確認に自信がなければ、組み立てと点検を自転車店に頼んでから乗ってください。
買ったら最初の1週間でやること
乗り出してすぐの時期にやっておきたいことは、主に3つです。
- 防犯登録: 自転車法で、新車・中古を問わず義務づけられています(香川県警察の案内より)。購入店で手続きできる場合があります。
- 乗る前の点検: 前後の車輪がしっかり固定されているか、タイヤの空気が足りているか、ブレーキを握ってレバーがハンドルに付かないかを見ます。
- ブレーキの練習: ロードバイクのブレーキは、ふだんの自転車より効きが強いことがあります。Canyonの説明書も、まず公道以外で練習するよう勧めています。
ブレーキの点検は、安全だけでなく交通ルールにも関わります。
警察庁の「自転車ルールブック」(令和7年9月)は、ブレーキの整備不良(自転車制動装置不良)を、重大な事故につながるおそれが高い違反として青切符の対象に挙げています。
身長170cmの人でも、車種によって範囲に入るサイズは1つから3つまで変わります。





