25Cから28Cのタイヤに替えて走り出したら、車輪が回るたびに「シュッ」と何かが擦れる音がする。
太いタイヤに替えたときに起きやすいのが、こうしたフレームやブレーキとの接触です。
太さを変えたあとも、フレームとのすき間を左右と上でそれぞれ1.5mm以上保てるかを確かめておきましょう。
タイヤ選びは、銘柄を比べる前に「自分の車体に付けられる太さの範囲」を決めるところから始めると、買い直しを防げます。
付けられる太さは、フレームとリムの2か所で決まる
フレームとのすき間
まず、今付いているタイヤとフレームのすき間を、タイヤの上と左右で見ます。

26C以上のタイヤは、今のロードバイクではフレームに接触する可能性が高いので、特に注意が必要です。
見落としやすいのが高さで、タイヤは太くなると、高さもおおむね同じ分だけ大きくなります。
横だけでなく、フォークの付け根やブレーキの下など、上側のすき間も確かめます。
リムブレーキの車体では、太くしたタイヤがブレーキシューに当たらないかも見ておきます。
車体のスペック表に最大タイヤ幅が書かれていれば、それが上限の目安です。
たとえばジャイアントのContend 2(2022年モデル)は、700x28cのタイヤが付いた状態で、最大タイヤ幅も28mmです。
リムの内幅
もう1つの上限は、ホイールのリムの内側の幅(内幅)です。
タイヤを選ぶときは、パッケージに書かれた最大空気圧と最大のリム内幅を必ず確かめ、許容値を超えないようにします。
内幅はホイールの製品ページや仕様表に「内幅19mm」「19c」のように書かれていることが多いので、注文の前に調べておきます。
サイズ表記の読み方
ロードバイクのタイヤの側面や箱には、2種類の書き方が並んでいることがあります。
| 表記の例 | 意味 |
|---|---|
| 700×25C | 700Cのホイール用で、幅がおよそ25mm |
| 700×28C | 700Cのホイール用で、幅がおよそ28mm |
| 25-622 | ETRTOの表記。幅25mm、リムにはまる部分の直径622mm |
| 28-622 | ETRTOの表記。幅28mm、直径622mm |
「700×●●C」の●●の部分が、タイヤの幅を表しています。
ETRTOは、欧州の団体(European Tyre and Rim Technical Organisation)が定めるタイヤとリムのサイズ規格です。
700Cのロードバイク用なら、ETRTO表記の後ろの数字は622になります。
ただし、同じETRTOのサイズでも、メーカーごとの製造の誤差で、リムにはめたときのきつさが変わることがあります。
同じタイヤでも、リムの内幅で実際の太さは変わる
「25C」と書かれたタイヤが、どのホイールでも25mmになるわけではありません。

たとえば、コンチネンタルの25mmのGrand Prix 5000を内幅の違うリムに付けると、幅は次のように変わります。
| リムの内幅 | 25mmのGrand Prix 5000を付けたときの幅 |
|---|---|
| 13mm | 24.7mm |
| 15mm | 25.5mm |
| 17mm | 26.3mm |
| 19mm | 27.1mm |
| 21mm | 27.9mm |
チューブを使うタイヤでは、リムの内幅が1mm変わるごとに、タイヤの幅は約0.4mm変わります。
内幅21mmのリムに付けると、25Cの表記でも28mm近い太さになる計算です。
内幅の広いホイールに替えたときは、同じタイヤのままでもフレームとのすき間が狭くなります。
フックレスリム(タイヤを引っかける爪のないリム)では、使えるタイヤと空気圧の上限が限られます。
フックレスでは、タイヤとリムの両方の指示を確かめることが特に大事です。
対応表に載っていない組み合わせは使わず、ホイールのメーカーかショップで確かめてください。
25C・28C・32Cの選び方
太さで変わるのは、主に乗り心地と重さ、そして使える空気圧です。
| 太さ | 空気圧の傾向 | 重さの傾向 | 考えたい場面 |
|---|---|---|---|
| 25C | 28Cより高め | 軽め | フレームのすき間が小さい車体、軽さを重視したいとき |
| 28C | 25Cより低めにできる | 25Cより重め | 段差や荒れた舗装が多い道、乗り心地を重視したいとき |
| 32C | さらに低め | 重め | 32Cを前提に作られた車体、未舗装に近い道も走るとき |
体重別の空気圧の目安表を見ても、同じ体重なら28mm幅のほうが25mm幅より低い値になっています。
32Cは太すぎるように見えますが、ブリヂストンのアンカーRE6のように、700×32Cのタイヤを標準で付けているロードバイクもあります。
今の車体に付いている太さが、そのフレームにとって無理のない太さの手がかりになります。
グレードで変わるもの
同じ太さでも、価格の違うタイヤが何段階も並んでいます。
製品ページで見比べたいのは、次の項目です。
- 重さ: 同じ太さでも製品によって差があり、軽い製品ほど価格が上がる傾向があります
- 耐パンク層: トレッド(路面に触れる部分)の下に、異物が刺さりにくくする層を入れた製品があります
- ケーシング: タイヤの骨組みになる繊維の層。糸の細かさをTPI(1インチあたりの本数)で表す製品があります
- ゴム(コンパウンド): 路面をつかむ力や、すり減り方に関わります
- ビード: リムに引っかかる縁の部分。折りたためるタイプは持ち運びやすく、針金のタイプは価格が抑えめなことが多いです
通勤や練習で回数多く乗るなら、耐パンク層があることを示している製品から選ぶと、出先でのパンクの手間を減らしやすくなります。
軽さを売りにした製品は、耐パンク層を薄くしている場合があるので、説明を読み比べます。
軽さとパンクへの強さの配分は製品ごとに違うので、「何を優先するか」を1つ決めてから選ぶと迷いにくくなります。
クリンチャー・チューブレス・チューブラーの違い
タイヤの方式は、ホイールの対応と結びついています。

今のホイールがどの方式に対応しているかを確かめてから選びます。
| 方式 | しくみ | パンクしたとき | 取り付け | 気をつけること |
|---|---|---|---|---|
| クリンチャー(チューブ式) | タイヤの中にチューブを入れる。ロードバイクで広く使われる | チューブを交換するか、パッチで直す | タイヤレバーで付け外しできる | チューブの挟み込みに注意する |
| チューブレス(チューブレスレディを含む) | チューブを使わず、タイヤとリムで空気を保つ | 製品によってはシーラント(液体)で小さな穴をふさぐ。出先ではチューブを入れて帰る方法もある | 対応するリムとタイヤが必要。ビードを上げるのにコツが要る | チューブレスで使うと寿命がやや短くなる傾向がある |
| チューブラー | チューブを包み込んだタイヤを、専用のリムに貼り付ける | 修理には技術が要り、基本は交換になる | 接着剤やテープで貼る。接着後は乾くまで最低2〜3時間走らない | チューブラー用のリムが必要 |
チューブレスに替える前に
チューブレスにするには、タイヤだけでなくホイールの対応が必要です。
ビードが上がらない、空気がじわじわ抜ける、といったつまずきが起きやすいので、初めての取り付けはショップに頼み、作業を見せてもらうと、自分で直すときの参考になります。
ホイールの方式や規格の確かめ方は、「ロードバイクのホイールの選び方、交換で何が変わるかと互換の確認」で互換のチェックとしてまとめています。
自分で確かめること、ショップに相談すること
タイヤは付け間違えると、走行中の擦れや、空気が抜ける原因になります。
自分で確かめられる範囲と、ショップに相談したほうがよい目安は次のとおりです。
| 項目 | 自分で確かめられること | ショップに相談する目安 |
|---|---|---|
| 太さの上限 | スペック表の最大タイヤ幅、今のすき間を見る | 表記が見当たらない、すき間が狭くて測れない |
| リムの内幅 | ホイールの仕様で内幅を調べる | 内幅が分からない、フックレスかどうか分からない |
| チューブレス化 | ホイールとタイヤの対応表記を確かめる | 初めての取り付け、ビードが上がらない |
| 取り付けたあと | リムとの境目の線と、擦れる音がないかを見る | 擦れる音が消えない、ブレーキに当たる |
タイヤとチューブの付け替えの手順そのものは、「ロードバイクのタイヤ交換のやり方、タイヤレバーの使い方とチューブの扱い」で、外す・はめる・空気を入れるの順に追えるようにしています。
注文する前のチェックリスト
次の6つがすべて埋まれば、タイヤ選びで大きく外しにくくなります。
- 車体のスペック表で、最大タイヤ幅を確かめた
- 今のタイヤとフレームのすき間を、上と左右で見た
- ホイールのリム内幅と、フックレスかどうかの見当がついている
- 買いたいタイヤのパッケージに書かれた、最大リム内幅と空気圧の範囲を確かめた
- クリンチャーかチューブレスか、今のホイールに合う方式を決めた
- 太さを変えるなら、新しい太さに合うチューブも一緒に用意した





